という訳で第九話「世界の果てに二人」如何だったでしょうか?

今回の話は大西洋上の豪華客船が舞台という事で、地味に資料を集めたりして少しでもそれっぽい雰囲気が出せるよう努力はしてみたつもりなのですが…、どうだったでしょうね?
豪華客船に二十五メートルの飛び込み台付きプール、というのは光野の調べた所ではちょっと見当たらなかったのですが(普通のプールなら山ほどありましたが)、中にはロッククライミングが出来るような豪華客船も存在しているようで、何というか、世界の広さに驚かされます。


今回のメイントリックは、波が起きて水位が低くなった所に丁度落下するような出来事があれば、ちょっとしたミステリーになり得るかな、というのがそもそもの発想の発端で、じゃあ人工的にそれを起こすにはどういう状況が必要なのか?といった所からアレやコレやで舞台が豪華客船になってしまった訳なのですが。
それだけではトリックとしてあまりに軽めだったので、じゃあ船が傾く状況で使える雪密室のトリックも一緒に入れてしまおうかな、みたいな感じで気がつけばいつの間にかああいった内容に。
最初は事故でなく殺人の方に思い切り意識を誘導するつもりだったのですが、あまりやりすぎても面白くなくなってしまうので、分からないようで何だか微妙に分かるギリギリのラインを狙ってみたつもりなのですが…、どうだったでしょうね?
全体的に、難易度は比較的低めだったとは思うのですけど。


さて、いよいよ都島燈理くんの実兄・九条秀也が登場して、物語も佳境に差し掛かって参りました。
気になる人は気になるかもしれない次回の「都島燈理」ですが、次回はちょっと「都島燈理・最後の事件」です。
当然ながら長編で、しかも現在光野の頭の中にあるイメージは既に第八話を上回っている為、おそらく完成に一年は軽く掛かってしまう物かと思います。
しかしながら、次回作はちょっと変則的な構成を予定していますので、物語のさわりの部分に関してだけは、もしかしたら比較的早くお届けする事が出来るかもしれません。
…まあそれでも、数ヶ月単位の話になってしまうとは思うのですけど…(^^;

そんな訳で、例によって次回までに再び間が開いてしまう事になるかと思いますが、それでも気長にお待ち頂けるのであれば。
次回作で、お会い致しましょう。


BY 光野水人




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